近年は大型台風やゲリラ豪雨が増え、「買おうとしている土地は水害に大丈夫だろうか」と気になる方が増えています。そんなときに役立つのがハザードマップです。見方を知っておけば、内見前に立地の災害リスクをある程度つかめます。

この記事では、ハザードマップの基本的な見方と、首都圏で水害に強い土地を選ぶポイントを解説します。

この記事でわかること

  • ハザードマップで確認すべき3種類の災害
  • 浸水想定区域の色分けと深さの読み取り方
  • 物件購入時にリスクをどう判断するか

ハザードマップとは何か

ハザードマップは、自然災害による被害が想定される範囲や程度を地図にまとめたものです。各自治体が公表しており、国の「ハザードマップポータルサイト」からもまとめて確認できます。

確認すべき3種類のマップ

水害に関係するマップは、主に次の3つに分かれます。

マップの種類想定する災害主な原因
洪水河川の氾濫による浸水大雨で川があふれる
内水(ないすい)排水しきれず冠水短時間の豪雨
土砂災害がけ崩れ・土石流傾斜地での大雨

※区分や名称は2026年時点の一般的なものです。自治体により表記が異なる場合があります。

洪水だけでなく、内水による浸水は市街地でも起こります。坂の下や低地は要注意です。

まずは住所で検索する

候補物件の住所を入力すれば、その地点の想定リスクが色で表示されます。複数の候補がある場合は、地図上で見比べると地形の傾向がつかめます。

浸水想定区域の読み取り方

色分けを正しく読めると、リスクの大小が一目で分かります。ここを押さえておきましょう。

色が濃いほど浸水が深い

浸水の深さは色の濃淡で表されます。一般的に、淡い色は浅く、濃い色ほど深い浸水が想定されます。同じ町内でも、低い土地と高い土地で色が分かれることがあるため、ピンポイントで候補地点を確認することが大切です。

  • 0.5m未満:大人の膝下程度
  • 0.5〜3.0m:1階の床上まで浸かる可能性
  • 3.0m以上:2階まで浸水の恐れ

たとえば想定が「0.5〜3.0m」であれば、戸建ての1階は床上浸水の恐れがあり、住まい方や設備の配置に工夫が必要だと分かります。

「浸水継続時間」もチェック

最近のマップには、水が引くまでの時間を示すものもあります。継続時間が長い地域は、避難生活が長引く可能性があります。深さだけでなく、水が引くまでの時間もあわせて見ておくと安心です。

首都圏で水害に強い土地を選ぶポイント

マップを踏まえ、実際の土地選びで意識したい視点をまとめます。

周辺より一段高い土地を選ぶ

同じエリアでも、わずかな高低差で浸水リスクは変わります。周囲より少し高い土地や、過去に浸水履歴のない土地は相対的に安心です。現地では、雨水の流れる方向や排水溝の位置も観察しましょう。

旧地名・地形から推測する

「沼」「池」「川」「谷」などを含む旧地名は、かつて水に関係する土地だったことを示す場合があります。古い地図や地形図とあわせて見ると、土地の成り立ちが見えてきます。

戸建ては基礎や盛り土を確認

戸建てでは、敷地を周囲より高くする盛り土や、基礎の高さで浸水対策をしている物件もあります。建物側の備えも確認すると、総合的なリスク判断ができます。

購入前にあわせて確認したいこと

ハザードマップは出発点です。地図上のリスクに加えて、現地と制度の両面から確認すると、より確かな判断ができます。

現地で雨の日・大雨後の様子を見る

可能なら、雨の日や大雨の後に現地を歩いてみましょう。道路に水たまりが残りやすい場所、側溝から水があふれた跡、アンダーパス(掘り下げ式の道路)の有無などは、地図だけでは分かりません。近隣の方に過去の浸水経験を聞けると、リアルな情報が得られます。

避難場所と避難経路を確認する

水害は「住まいの安全」だけでなく「逃げやすさ」も重要です。最寄りの避難場所までの距離、途中に冠水しやすい道がないかを確認しましょう。高齢の家族や小さな子どもがいる場合は、避難のしやすさが暮らしの安心感を左右します。

火災保険の水災補償も検討する

浸水リスクのあるエリアでは、火災保険に水災補償を付けるかどうかも検討材料になります。補償の有無で保険料が変わるため、立地のリスクとあわせて保険設計を考えておくと安心です。建物だけでなく家財の補償も確認しておきましょう。

よくある質問

Q. ハザードマップで色がついている土地は買わない方がいいですか?
A. 必ずしもそうではありません。リスクの程度と、建物側の対策や避難経路を踏まえて総合的に判断します。浅い浸水想定でも、対策のしやすさや価格を考えれば選択肢になり得ます。

Q. ハザードマップの情報は契約時に説明されますか?
A. 不動産取引では、重要事項説明で水害リスクに関する情報が説明される仕組みになっています。説明を受けたうえで、自分でもマップを確認しておくと納得感が高まります。

Q. マンションでもハザードマップは関係ありますか?
A. 関係します。上層階は浸水を免れても、1階の電気設備やエントランスが浸水すると生活に影響します。立地のリスクと建物の設備配置をあわせて確認しましょう。

まとめ

ハザードマップは、洪水・内水・土砂災害の3種類を住所で確認するのが基本です。色の濃淡で浸水の深さを読み取り、浸水継続時間もチェックします。土地選びでは、周囲より高い場所、旧地名、建物側の対策に注目すると、水害に強い立地を見極めやすくなります。マップは出発点であり、現地確認とあわせて判断することが大切です。

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