事業の拡大や働き方の見直しに伴い、オフィス移転を検討する企業は少なくありません。しかしオフィス移転は、物件探しだけでなく、現オフィスの解約予告や原状回復、内装工事、引っ越しなど多くの工程が絡みます。段取りを誤ると、賃料の二重払いや退去トラブルが発生することもあります。

この記事では、オフィス移転の流れを6つのステップで整理し、物件選びのポイントと注意点を、東京・首都圏で移転を考える企業向けに解説します。

この記事でわかること

  • オフィス移転の全体スケジュールと各工程の期間
  • 失敗しない物件選びのチェックポイント
  • 解約予告や原状回復にまつわる注意点

オフィス移転の全体像と期間

オフィス移転は、検討開始から完了まで一般的に 半年程度 を見ておくと安心です。規模が大きいほど準備期間も長くなります。特に見落としやすいのが、現オフィスの解約予告です。

解約予告は早めに確認

事業用オフィスの賃貸借契約では、解約予告期間が 3〜6ヶ月前 と長めに設定されていることが多くあります。予告が遅れると、新旧オフィスの賃料を二重に負担する期間が延びてしまいます。移転を考え始めたら、まず現契約書の解約条項を確認しましょう。

6つのステップ

  1. 移転の目的・要件の整理
  2. 物件探し・内見
  3. 申し込み・契約
  4. 内装・レイアウト設計と工事
  5. 引っ越し・各種届出
  6. 現オフィスの原状回復・退去

ステップ1〜3:要件整理から契約まで

最初に、なぜ移転するのか、何を実現したいのかを明確にします。コスト削減か、拡張か、立地改善か。目的が定まると、必要な広さや立地、予算の優先順位が決まります。

必要な広さの考え方

一人あたりの必要面積は、働き方によって変わります。固定席中心かフリーアドレスか、会議室や来客スペースをどの程度設けるかで適正面積は前後します。将来の増員も見込んで、余裕を持った設計が望ましいでしょう。

立地と通勤の検討

社員の通勤利便性や取引先からのアクセスは、採用や業務効率に影響します。最寄り駅からの距離、複数路線の利用可否、周辺環境などを総合的に判断します。東京・首都圏では、同じ賃料でもエリアによって広さや築年数が大きく変わります。ターミナル駅周辺は利便性が高い反面、坪単価も高くなりがちです。少し離れた駅を選び、その分広さや設備を充実させるという選択肢も検討に値します。

申し込みから契約まで

希望の物件が決まったら、入居申込書を提出し、貸主や保証会社の審査を受けます。法人としての決算内容や事業の安定性が見られることが一般的です。審査を通過したら賃貸借契約を締結します。人気物件は申し込みが重なることもあるため、必要書類を早めに準備しておくとスムーズです。

ステップ4〜6:工事から退去まで

契約後は、新オフィスの内装・レイアウト工事に入ります。配線やネットワーク、什器の手配も含め、業者との調整が必要です。

各種届出を忘れずに

移転に伴い、法務局への本店移転登記、税務署・年金事務所・労働基準監督署などへの届出が必要になります。取引先や金融機関への住所変更通知も漏れなく行いましょう。名刺やパンフレット、ウェブサイトの住所表記、登記簿に紐づく許認可の変更など、見落としやすい項目も多くあります。チェックリストを作り、担当を決めて進めると漏れを防げます。

原状回復を見込む

オフィスの退去時は、借りた状態に戻す 原状回復 が原則です。事業用オフィスはスケルトン返しを求められることも多く、費用が高額になりがちです。原状回復の範囲と費用負担を、契約書と照らして早めに把握しておきましょう。

オフィス移転にかかる費用

移転費用は、新オフィスの初期費用だけではありません。主な内訳は次のとおりです。

費用項目内容
新オフィス初期費用保証金・敷金・前家賃・仲介手数料など
内装・設備工事レイアウト・配線・パーティション
引っ越し・什器移送費・新規什器の購入
原状回復費用現オフィスの撤去・復旧
各種届出・通知登記・印刷物の作り直し

特に保証金や原状回復は金額が大きくなりやすいため、資金計画は早めに立てましょう。

※費用・期間は2026年時点の一般的な目安です。物件や規模により異なります。

よくある質問

Q. オフィス移転はどのくらい前から準備すべきですか?
A. 規模にもよりますが、半年前から動き始めると余裕を持てます。特に現オフィスの解約予告期間が長い場合、その分だけ前倒しで計画する必要があります。まずは現契約の解約条項を確認することから始めましょう。

Q. 居抜きオフィスを利用すると費用は抑えられますか?
A. 内装や什器を引き継げる居抜きオフィスなら、工事費や什器購入費を抑えられる場合があります。ただしレイアウトが自社に合うか、設備の状態はどうかを確認することが大切です。原状回復の条件も含めて総合的に判断しましょう。

Q. 原状回復費用はどのくらいかかりますか?
A. オフィスの広さや内装の作り込み度合いによって幅があります。事業用は住宅より高額になりやすく、想定外の出費になりがちです。契約時に原状回復の範囲を確認し、退去前に複数業者から見積もりを取ると安心です。

Q. 移転を社員に告知するタイミングは?
A. 移転先と時期が固まった段階で、できるだけ早めに社内へ共有するのが望ましいです。通勤経路の変更や働き方への影響があるため、社員が準備できる余裕を持たせましょう。引っ越し当日の役割分担や、新オフィスのルールも事前に周知しておくと混乱を防げます。

まとめ

オフィス移転は、①要件整理 → ②物件探し → ③契約 → ④工事 → ⑤引っ越し → ⑥原状回復、という流れで進みます。成功の鍵は、解約予告期間を踏まえた逆算スケジュールと、原状回復まで含めた資金計画です。早めの準備で二重賃料やトラブルを避けましょう。

東京・首都圏での店舗・テナント物件のことなら、アークホームにご相談ください。移転先の選定から契約条件の確認まで、オフィス移転をスムーズに進めるお手伝いをします。